家庭用金庫は、決して安い買い物ではありませんし、一度購入したら長く使うものです。だからこそ、購入後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔することがないよう、事前にしっかりと検討し、確認しておくべきポイントがいくつかあります。まず第一に、「何を、何から守りたいのか」を明確にしましょう。火災から書類や思い出の品を守りたいのか、それとも盗難から貴金属や現金を保護したいのか。あるいはその両方か。目的がはっきりすれば、おのずと選ぶべき金庫の種類(耐火金庫、防盗金庫、またはその両方を兼ね備えたもの)が見えてきます。耐火性能であればJIS規格の耐火時間、防盗性能であれば耐破壊性能のグレードなどを確認し、自分のニーズに合ったものを選びましょう。次に、金庫の「サイズ」と「容量」です。保管したいものの量や大きさを事前に把握し、余裕を持ったサイズの金庫を選ぶことが大切です。A4ファイルがそのまま入るか、特定の大きさの箱が収納できるかなど、具体的な収納物をイメージしながら確認しましょう。ただし、大きすぎると設置場所に困ることもあるので、バランスが重要です。そして、その「設置場所」を具体的に決めておくこと。クローゼットの中、押し入れ、書斎など、どこに置くかによって選べる金庫のサイズや重量も変わってきます。設置場所の床の耐荷重は大丈夫か、湿気は多くないか、人目につきにくいか、そして万が一の際に持ち出しやすいかなども考慮に入れるべき点です。特に重量のある金庫を設置する場合は、床の補強が必要になるケースもあるため、事前に確認しておきましょう。金庫の「鍵の種類」も重要な選択ポイントです。ダイヤル式、テンキー式、シリンダー式(鍵式)、指紋認証式など、それぞれに操作性やセキュリティレベル、価格が異なります。家族構成や使用頻度、鍵の管理方法などを考慮し、最も使いやすく、かつ安全だと感じるタイプを選びましょう。例えば、高齢者の方が使う場合は操作が簡単なものが良いかもしれませんし、鍵を紛失する心配があるならテンキー式や指紋認証式が便利です。購入前には、必ず「実物を確認する」ことをお勧めします。