それは真冬の夜中のことでした。 友人との飲み会を終え、ほろ酔い気分で帰宅した私は、マンションのエントランスでオートロックを解除し、エレベーターで自室の階へ向かいました。 玄関前でバッグの中を探ると、ない。 鍵がないのです。 酔いも一気に覚め、背筋が凍るような感覚に襲われました。 その日、私はうっかり鍵を持たずに家を出てしまったのです。 よりによって、オートロックのマンションで、真冬の夜中に。 絶望的な状況に、頭が真っ白になりました。 スマホを取り出し、時刻を確認すると、午前1時を回っていました。 こんな時間に、管理会社に電話しても繋がるはずがありません。 実家は遠く、友人に頼るのも気が引けます。 途方に暮れながら、玄関の前で立ち尽くすことしかできませんでした。 寒さが身に染みます。 体は冷え切っているのに、焦りと不安で心臓だけがドキドキと高鳴ります。 まるでドラマの主人公になったような気分でしたが、現実は過酷でした。 とりあえず、マンションの入り口まで戻り、オートロックの操作盤を改めて確認してみました。 改めて、自分の愚かさを呪いました。 選択肢はいくつかありました。 悩んだ末、私は最後の手段、鍵屋さんを呼ぶことにしました。 スマホで「鍵屋 夜間 オートロック」と検索し、一番最初に出てきた業者に電話をかけました。 事情を説明すると、すぐに来てくれるとのこと。 料金は、夜間料金込みで2万円と言われましたが、背に腹は代えられません。 震えながら待つこと30分。 ようやく鍵屋さんが到着しました。 手際よく鍵を開けてもらい、無事に家の中に入ることができたのは、午前2時を回っていました。 温かい部屋に入り、熱いシャワーを浴びて、ようやく人心地がつきました。 今回のオートロック締め出し事件は、私にとって忘れられない教訓となりました。 今後は、絶対に鍵を忘れないように、出かける前の確認を徹底しようと心に誓いました。 そして、万が一の時のために、スペアキーを実家に預けておくことも考えようと思います。 皆さんも、オートロックの鍵忘れにはくれぐれも注意してください。 特に、夜間や真冬の締め出しは、本当に辛い経験になります。 この体験談が、少しでも皆さんの注意喚起になれば幸いです。